ゴール後の特別インタビュー 日本を歩いた2人に聞く

2007年3月から1年半にわたって歩いて来た「一宿一通2~こころを紡ぐふれ愛のたび~」は、 去る2008年8月31日、大勢のファンや宿主さんなどが見守るなか、無事スタート地点の日本橋にゴールしました。
春夏秋冬の太陽の光と、全国の宿主さんや応援してくれた皆さんの優しさをもらって帰ってきたテッペイとワタルの表情は、 安堵と達成感にあふれていました。
今回は、この2人を独占インタビュー!
旅の途中の想い出話や、歩き旅の素晴らしさなどについてうかがいました。

普通の人にはまだ戻っていない。

旅人テッペイ

― こんにちは、夏にゴールしてほぼ2カ月、今はどうされているのですか?

テッペイ完全なニート生活しています。たまにお笑いの芸人さんのネタづくりなんかを手伝っていますよ。

ワタル旅に出る前にしていた映像の仕事をしています。

テッペイどちらにしても普通の人にはまだ戻れていない…かな。

― 1年半の一宿一通の旅を通じて、まず何を感じましたか?

テッペイ世の中いい人が想像以上に多かった。 ニュースなんかで見ているともっと悪い人ばかりのような感じなのですが、こんなにいい人だらけなんだっていう実感があります。

ワタル感覚というか、なんというか、野生的な勘が鋭くなった気がします。
特に歩いていて、こっちの道の方がいいことがありそうな気がしたり、宿交渉する時、その建物を見てよい出来事が起きるか、 起きないかを直感的に感じたりするようになったりしました。
歩いている時や宿交渉するときだけなんで、今ではあまり役に立たないんですけど・・・。

旅人ワタル

― 旅の中で感じた辛いことはなんですか?

テッペイまずは、宿交渉です。 旅そのものがつらいというより、僕たちの旅を楽しみにしてくれている皆さんがいて、 きちんと番組を伝えないとならないっていう使命感の厳しさもあった。
あとは当たり前だけど、暑い、寒いという辛さ。

ワタルやっぱり、普通の旅人とは違うんだろうなって、資金面とか多くの面で自分たちの旅は恵まれていますから。
ある意味、本当の旅人だったのかなって自問自答したりしています。
本当の旅人と話をしたりすると、少しギャップを感じたりする場面もあったかな。

テッペイある意味、自由度はありそうで、なかったかも知れないです。

ワタル普通の旅人は、自分たちで資金をためて旅をして、もっと自由に旅しているわけで、 そういう意味では少し違うかも知れないですね、旅の仕方ひとつとっても全然違っていたりするんですよね。

リュック

― 歩く旅の良さや悪さがあったら教えて欲しいのですが。

ワタルまず良いところは、大きなリュックのお陰かもしれないですが、地元の人々にいろいろと話かけてもらえました。
リュックがきっかけで、素敵な出会いがたくさんありました。
そして、強いて悪いところといえば、効率が悪いことかな。
僕たちの旅は、「歩く」のがルールだから、どうしても移動に時間がかかってしまい、見るべきものを全部見ることができなくなったり、 明日、どこか観光地に行こうと思っても、行って帰ってきたら、もうその日は終わりみたいな…。
そんな感じでしたからね。

テッペイ最近、スケジュールを組まなくなりました。 時間に縛られなくなったようです。
普通、車や電車だと、何時何分にどこそこに着くみたいに考えると思うんですけど、 歩きだと、どうしても何日か後に着けばいいって感じになるじゃないですか、 先日も大阪へ行ったのですが、2,3日後に着けばいいや・・・みたいな、そんな感じです。
いい意味で時間軸にとらわれなくなったんですけど、友人たちからは、だらしなくなったと叱られます。
今の時代にありえないダラダラ感だと。(笑)

振り返ることができる、それが歩き旅の醍醐味。

景色

― 歩いたからこそのエピソードなどを教えてください。

ワタルまず、日本の道って、歩きづらい歩道っていうのが沢山ありますね。

テッペイ車や電車の旅だったら、行かないようなお店にも行けましたね。
駐車場がなかったりするお店は、やっぱり車では行きづらいですよね。
でも歩きの旅だと入れちゃう。
そしてそれが大当たりに美味しかったり、楽しかったりするんですよ。

ワタル感動する景色に突然出会えたりするのも多いですね、特に峠で振り返ってびっくりしたりします。
自転車や車だと前に進むことばかり考えるけど、後見るってことってなかなかないですよね、それって歩き旅の醍醐味の一つかと思います。
それに、歩きは、振り返ると自分がどれくらい歩いたかを、ちょうどいい感じで確認できたりして安心したり、頑張った自分に満足したりします。

テッペイそれと、休憩が必然的に多くなるので、どうしても景色を見るということが多くなりますね。

北海道の道 狭い路

― 日本の観光地について、「歩き旅」の視点から見て思うことがあれば教えてください。

テッペイ歩くに人には、とっても不便かもしれないです。
バイパスがあって、そこが横断できなくて1時間も遠回りしたりして。

ワタル四国なんかは、お遍路文化のためか歩く人にやさしいですね。

テッペイトンネルなんかで、歩道が広くで車道と段差があるようなところに出くわすと『やった!』って感じです。
でもほとんどのトンネルは怖いですね。

ワタル本当に危ないな・・・って思ったトンネルも3つ、4つあったかな。

野沢温泉に行きたい。

野沢温泉

― 歩く旅でおすすめしたい場所は?

テッペイ僕は、北海道の八雲の旧ケンタッキーファームがまるでスイスのようで綺麗でした。
桜島も半日観ましたけど、雰囲気が良かったですね。

ワタル新潟の笹川流れが、僕は、きれいだと思った。
あと北陸の方だと思ったけど、蛙の形をした岩があって、本当に蛙のようですごいとおもった。
でも、もう1回観光で遊びに行くとしたら「野沢温泉」に行きたいです。
町の風情の中に観光地としての地域の人々の息づかいを強く感じました。

テッペイもう1回行くなら、沖縄の古宇利島に行きたいです。

最後は「無きゃ、無くていい。」の境地です。

履きつぶした靴

― 歩き旅に必要なグッズについて聞かせてください。

テッペイ僕たちが持っていたのは、万歩計や磁石などいろいろありました。
雨が降ったとき、合羽を着て傘をさしていたんですが、あれは手持ちのバックとか、リュックが濡れちゃうんですよ。
合羽ではカバーできなくて困りましたね。

ワタルリュックも途中から防水機能が低下してきちゃいましたから…。

テッペイあと、歩いた距離が正確にわかるグッズが欲しかったですね。
万歩計みたいな簡単なやつ。靴に自分の歩幅が記憶されてて自動的に距離が出るとか(笑)

ワタル靴は全部で8足、履き潰しました。
壊れるタイミングって、二人ともほぼ一緒なんですよ。
底がすり減ってきて、そのまま歩いていると身体が痛くなってきて、足が変な風に着地してくるんで、ああもう駄目だってわかってくるんですよ。

テッペイ特に寒い時期は、手足の指先が厳しかったですね。
足先につける携帯カイロみたいなのもあるんですけど、少し歩きづらかったりもして、長距離移動の時は諦めたりしました。

ワタル宿主さんから暑い時に、首に巻くアイスノンなんかをもらいましたが、あれは重宝させてもらいました。
でも次のお宅で「凍らせてください」ってお願いできなくて、翌日使えなかったり(笑)

テッペイあの当時は、寒いだの、暑いだのって言ってましたけど、今、思えば何とかなるもんだとも思いました。
そうそう、飲みたいとき、食べたいときに自販機っていざ探すとないですね。
あれは辛いですよ。

ワタル後半は、ふたりでよく話していたんですけど、 (最初の頃は)あれが欲しい、これが欲しいって思ったりしていたのですが、途中からそういう欲望を捨てました。
『無きゃ、無いでいい!』って。
なんかそんな境地に行きついたりもするんですよね。

テッペイ実は、後半はどんどん荷物を事務局に送り返していたんですよ。

ワタル目先のこの瞬間を思えば、これはあった方がいいけど、 全体で考えれば荷物を軽くした方がトータルで楽になると思っていました。


(ということで、話題と思い出話は、尽きず…)

1年半、全都道府県を徒歩だけで旅しながら、私たちに感動の映像を贈り続けてくれた二人に感謝。
歩き続けた二人だからこそ語れる「歩き旅」の魅力を感じました。
テッペイさん、ワタルさん、どうもありがとうございました!

2008年10月